【編集者の頭の中第10回】自治体と不動産業界の共通点、わかりますか?

先日、内閣府のデジタル庁が新しく人材を募集し、20代のプロジェクトマネージャーが就任したことが大きく話題になりました。

 

このニュースの前に、河野太郎行政改革担当大臣が霞ヶ関官僚のFAXや印鑑使用をやめる方向に舵を切ることを大々的にアナウンスしました。

 

ここ一年、中央省庁ではこのようなデジタル化の施策を一気に進めている姿が目立っていますが、その動きは中央省庁にとどまりません。

 

中央政府に倣い、地方自治体も急速にデジタル化が進行していきます。

 

具体的には住民票のほか各種申請、行政サービスの資料もクラウド上のデータをダウンロードする形になるでしょう。

 

その後社会に起きるのは、市役所や町役場に行く機会が減り、結果的に公務員が減ると言う現象です。

 

すでにアメリカでは行政窓口や銀行窓口のスタッフが1〜2人、或いは無人というケースが出てきており、感染拡大の観点からもそれはより急速に普及していくでしょう。

 

ここで注目したいスタートアップの会社があります。

 

株式会社グラファーという企業です。

 

このグラファー、一口で言えば日本の自治体のDX化を推進するための企業です。煩雑な行政の手続きをITによって簡素化することを目的に作られた同社は、すでに鎌倉市や神戸市などのシステムをシンプルかつ使いやすいUXに大幅にリニューアルすることに成功しています。

 

ここで注目したいのは、鎌倉市と神戸市という異なる自治体のシステムを、かつては全く違う業者に発注していたにもかかわらず、行政サービスを統一したフォーマットに落とし込んでいる点です。

 

今後、グラファーのシステムがより多くの自治体で使われるようになれば、あるキャズムを超えたタイミングで一気にグラファーのシステムを導入する自治体が増えるでしょう。

 

というのも、導入自治体が増えれば増えるほど、前例ができるためシステムはより使いやすいものになり、さらに導入コストは割安になるからです。

 

もう一つ、DX化が進む分野が不動産です。

 

不動産業界は未だにFAX文化です。物件を探しに不動産屋さんに足を運んだ時、物件情報をFAXで送っている姿を見たことがあるのではないでしょうか。

 

しかし、このFAX文化自体もすべてIT化していくでしょう。

 

これまで、不動産業界は「儲かっている業界」のため大きく変わる決断をするインセンティブが弱かったのです。しかし、近年は不動産テックと呼ばれるスタートアップが台頭し、その大きな市場のパイを少しずつ奪い始めています。

 

自治体や不動産など、古い業界ほどIT化が進みやすい領域です。結果、こうした変化はメディアが大きく取り上げる可能性が高く、もしその業界で仕事をしている人、あるいは関わりを持ちそうな業界の方は、「古い業界の新しいこと」を積極的に発信していくことをお勧めします。