【編集者の頭の中第8回】「からあげグランプリ金賞」がまやかしの権威でも、求められる理由

今、街中で唐揚げ店を目にする機会が増えていないでしょうか。

 

事実、今世間は空前の唐揚げブームなのです。2020年には市場規模が1053億円に達すると言われており、郊外店を中心にFC店の新規出店が続いているのです。

 

【参考記事】
唐揚げ市場が1000億円超えの急拡大 専門店とスーパー、強味と弱味は?
(Yahoo!ニュース)

https://news.yahoo.co.jp/byline/ikedaeri/20210510-00233784/

 

その理由の一つとして、唐揚げ店は他の飲食チェーン店より数百万円と少額資本で始められることが挙げられます。

 

それに対して、ラーメン屋や居酒屋は新規出店コストとして1000万円することも珍しくありません。

 

さらに、近年はフライヤーは元々運営している店舗のキッチンを利用することで100万円以下でオープンできるデリバリー専門の韓国風唐揚げ「ヤンニョムチキン」の店舗も増えています。

 

コロナ禍でデリバリーの需要が増えたことで唐揚げ店はますます拡大していくことでしょう。

 

なぜ唐揚げ店が増えているのでしょうか。

 

理由の一つが、家での揚げ物を面倒に感じる家庭が少なくないからです。

 

気軽に買って帰ることができる唐揚げは間食ニーズに応えることもでき、昼や夜以外の時間帯でも安定的に売り上げを獲得できるのです。

 

そんな中、全国の唐揚げ店が参加するからあげグランプリが盛況となっています。

 

このからあげグランプリ、いわば唐揚げ業界がプロモーションを目的として開いたものであり、優勝部門が「東日本しょうゆダレ部門」「西日本しょうゆダレ部門」など複数あり、さらに金賞を受賞した店舗はそれぞれ10店舗以上存在することもザラデアることからもわかる通り、本来そこまで権威性のある賞ではありません。

 

参考ページ
https://karaage.ne.jp/event/grandprix/

 

ところが、申し込めば実質受賞できるモンドセレクションと同様に権威性があるわけではないこの賞が店舗の売り上げに大きく貢献しているという事実があるのです。

 

なぜか。

 

それは今私が紹介したからあげグランプリのHPを見る消費者などほぼ皆無だからです。

 

ほとんどの消費者は店舗を訪れた際に「からあげグランプリ金賞受賞!」というのぼりを見て、このお店はおいしいんだ!と思って終わりなのです。

 

こうした、「(実際にはない)権威性をつける」というのは割とオーソドックスなプロモーション手法の一つです。

 

しかし、次第にこのからあげグランプリの実態が知られるようになると、ある日一気にその権威を失うことになります。

 

とはいえ、まだこのグランプリの存在はメディアが注目していないためあと2年ほどはこうしたまやかしの権威をプロモーションに使う唐揚げ店が増え続けることでしょう。

 

結局、消費者がこうしたグランプリに疑問を投げかける可能性は低い以上、メディアが取り上げない限り、こぞってからあげグランプリにエントリーする新規の唐揚げ店は後をたたないのは間違いありません。