21.05.18

広報支援 

テレビ・雑誌のメディア掲載可否は「やりとり」が9割

このメディアクラブでは、テレビや雑誌がほしがるネタについてはこれまでも十分すぎるほどに情報を提供してきました。

 

「ストーリーで企業や商品を説明する」

 

「地域活性化を軸に商品を開発する」

 

「動画や写真で情報を提供する」

 

「マスコミがすぐに使いたくなるコピーライティングを用意する」

 

などなどPRの王道施策はそこまで多くありませんので、すでに実践している企業も多いと思います。

 

が、このような工夫を盛り込んでプレスリリースを配信したり、事前に準備をして記者とコミュニケーションを取っても、記者のリアクションがいまいちというケースが少なくないのです。

 

その最大の要因はなんでしょうか。

 

実は、「商品のインパクトがないから」ではないのです。

 

そうではなく、会話の中で「どうもこの人は合わないな…」と記者に思われているケースが少なくないのです。

 

つまり「人として合わない」。

 

私自身、記者として広報担当者や社長の方とお話をしていると、「そもそもこの人とは合わないな…」と思い、その後は話を聞く気にならなかったことは一度や二度ではありません。

 

そして、このような問題は「マスコミの人たちの生態系」について知悉していればそのようなすれ違いは防ぐことができます。

 

記者と接するときに重要なことは大きく2つあります。

 

実はとても重要なスキルなので紹介します。

 

1つは、テンション。

 

例えば、LINEで会話するときを考えてみてください。

 

あなたが好きな女性に10行程度の長文LINEを送ったのに対し、相手が1行程度で簡素にメッセージを返信されたら、なんとなくその後会話をするモチベーションが削がれるのではないでしょうか。

 

きっと、この人は自分に興味がないんだ…と思ってしまいませんか?

 

これは記者とのやりとりも同様です(というか、すべてのビジネスコミュニケーションがそうでしょう)。

 

雑誌やWEBメディアの記者は、情報をスピーディにやり取りするため、電話やFAX、メールよりもフェイスブックのメッセンジャーを使って広報担当者とやりとりすることが多いです(LINEもよく使います)。

 

そのときにどんなメッセージを送り合っているか。ここにも「合う/合わない問題」が発生します。

 

細かい話ですが、記者が前のめりで情報がほしいとテンション高めにテキストメッセージを送っているのに対し、あまりにも堅苦しい言葉で返信すると、互いの心理的距離は離れてしまいます。

 

<詳細を教えてください!資料も早めにPDFでいただければ幸いです!!!>

 

というテンション高めな記者のメッセージに対し、

 

<承知致しました。添付してお送り致しますので、恐れ入りますがしばらくお待ち下さいませ。今後もどうぞ宜しくおねがいします>

 

こんな堅苦しい官僚でも使わないような文章で返信するのはNGです。

 

上記の例ならば、

 

<はい!!1時間以内にお送りします!ありがとうございます!!他にリクエストありましたら教えてください!>

 

こんな風に、同じ記者が送っているような文体で送るのが正解です。

 

記者としては、素早いレスポンスと高いテンションで一気に仕事をまとめあげようとしているのです。にもかかわらず、そのテンションがシンクロしない。

 

漢字をムダに多用したり、過剰なビジネス挨拶を入れ込んだ(逆に)頭の悪そうな文章は、話を聞く気が一気にそがれる要因となるのです。

 

たとえば、相手が「!」を使う人だったら「!」を使ったり、他のライバルメディアについても興味があるようだったら、あえてライバルメディアの話をして共通の話題で盛り上がったり、「話していて気が合うな…!」と思われる会話を意識してみてください。

 

特に雑誌や新聞の記者は自分たちのメディアをよく読んでいますから、会話の中で自社商品のアピールばかりするのではなく、直近のその媒体で話題になった記事について自分から話を振ってみたり、いま進めている企画について聞いてみると一気に互いの距離を縮められます。

 

人は、自分と同じテンションで、かつ自分に興味を持っている人に惹かれます。過剰なビジネスマナーは相手との距離を遠ざける毒だと認識すべきです。

 

これはやりとりする時間帯も同様です。

 

記者は午前中は外に出ているか出社していないため、午前中に電話をかけたり、メッセージを送るのに向いていません。

 

もっともやりとりが活発化するのは16〜19時ごろの夕方。この時間にメッセージを送ると、返事が早く返ってくることが多いです。

 

2つ目は、記者とやりとりする際に使用する言葉についてです。

 

これについては、使ってはいけない言葉を具体的に列挙するほうがわかりやすいでしょう。

 

【NGワード一例】
「など」「のような」…プレスリリースで「など」と書かれているときにその「など」が必要であったケースはほとんどありません。なんとなく使っている「など」「ような」といった言葉は取ってシンプルで読みやすい文章にしてください。適当に考えずに書いた文章には、適当なリアクションしか返ってきません。

 

「出来る」「致します」…雑誌や新聞を読んでいると、「できる」「いたします」と開いて表記しています。普段自分たちが使っている言葉と違う用法を見せられると、「この人はちがう人種だな…」と思われます。

 

細かい話かもしれませんが、こういった細かい日本語のやりとりがきっかけで相手は違和感を抱いてしまうものです。LINEで使う絵文字でも、「おじさんLINE」と言われるクセのある絵文字を使うと若者から嫌われるのと一緒です。

 

相手の使う漢字やひらがなの表記もそっくりそのまま真似してみてください。そのためには取材されたい新聞や雑誌を読み込むのは必須と言えるでしょう。

 

「記事化」…「記事化」とはマスコミ関係者以外の方が使う特殊用語です。

 

テレビや雑誌をつくっているディレクターや編集者はすべて「取材」と思って仕事をしています。それに対し、「記事化」というのは掲載されたい企業側が主語になった言葉です。

 

自分たちにとっては「記事化」でも、相手にとっては「取材」。むろん、マスコミはあなたの企業を宣伝するツールではありません。ところが、この「記事化」という言葉には取材する側に対する敬意が感じられず、単なるプロモーションの手段として相手を捉える心理が透けて見えます。それははっきり言って記者に嫌われます。

 

このようなどんな広報PR誌にも掲載していない暗黙知こそ、PRにつながる重要なヒントだったりします。

 

結局、マスコミといえども人と人のやりとりです。

 

 

相手に関心を持ち、相手とテンションを合わせて会話する基本を忘れないでください。