21.04.27

広報支援 

そろそろあの問題に決着を。なぜ「つまらないプレスリリース」を作ってしまうのか?

今回も「プレスリリース配信主義が陥る問題」について深堀りしていきます。

 

新規事業をスタートさせたり、新商品を発売した場合、プレスリリースを配信するのはPR戦略の大前提となっています。

 

しかし、そのプレスリリースがクオリティ次第では企業のイメージダウンにつながることはすでに述べた通りです。

 

そうは言っても、記者が読んでも「時間を返してほしい」という感想以外生まれない“残念なプレスリリース”が量産されているのが現状です。

 

こうした問題が生まれる最大の要因は、ズバリ「中身が薄いこと」に尽きます。

 

「中身が薄い」とは、どういうことでしょうか?

 

文章が短いこと?

 

伝える内容が1行程度で済んでしまうこと?

 

パンチライン溢れるコピーがないこと?

 

どれも間違ってはいないですが、「中身が薄い」をより正鵠を得た表現に言い換えるならば、

 

「本当は(まだ)スゴくないことを、スゴイことのように発信してしまっている点」

 

これに尽きます。

 

どういうことでしょうか。

 

簡単に解説します。

 

新商品の発売や、異業種とのコラボを開始した際に打つプレスリリースは、たしかに見出しだけ読めばインパクトのあるものです。

 

が、伝えている内容について一口で言えば「これからこんなことを始めます」だけです。

 

つまり、どれだけインパクトのあるキーワードが入っていたとしても、その内容は常に結果がまだ出ていない“未然形”にならざるを得ないのです。

 

近年流行りの「DX化」「AI」「ビッグデータ」などのバズワードをプレスリリースに並べてみても、それ自体はまだどのような結果になるのか、大きく売上を伸ばすことになるかはわからない以上、メディアはそのニュースについて大きくとりあげることはまずありません。

 

もっとわかりやすく説明します。

 

東大を目指している人と、東大に実際合格する人がいたとして、後者の人数が前者の人数を上回ることは絶対にありませんよね。

 

つまり、何かを宣言した段階(東大を目指している人の段階)では、まだ何の結果も残していない「ただ言っただけ」のケースに過ぎないのです。

 

そのため、「ただ言っただけ」なのでその宣言をメディアが報じるとしても素材がほぼありません。

 

よって、「大手アパレルメーカーの○○社とコラボして新商品を発売します」というプレスリリースは、それが専門誌に多少取り上げられることはあっても、ビッグニュースとしてテレビなどで取り上げることはまず難しいのです(日本を代表する大企業の場合は別です。本稿ならびにメディアクラブは主に中小企業やスタートアップ向けに記事を配信しております)。

 

つまり、何か新規事業をスタートさせるときは、記者会見を開くよりも、その新規事業で圧倒的な結果が出て、その結果についてメディア側から取材依頼が入るレベルになるのがPR戦略の理想のかたちなのです。

 

結局、プレスリリースを打つなというわけではありませんが、「何かを始めたからといってメディアに取り上げられると思うべきではない」という一点に尽きます。

 

売上や話題性という実力をつけ、それを取材されるという形がテレビや雑誌の尺も多く取っていただける点でも原則最適解ということです。