21.04.16

広報支援 

「ネット広告はオワコンなのか?」の前に語りたいタクシー広告の真実

「広告費は、つまらない商品をつくったことへの罰金だ」

 

これは、フェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグが2013年カンヌ広告祭に特別ゲストで登壇したときの有名なセリフです。

 

彼は、広告をかなり嫌っている経営者として知られています。

 

※ ※

 

さて、今回は何度も議題にあがっている広告施策の効果についてのお話です。

 

私は、安易な広告施策に対しては「ちょっと待った!」をかける立場をとっています。

 

なぜか。

 

広告を出す前に、PR戦略としてまだまだできる余地があるケースが多く、またそのほうがコストが安いからです。

 

では、広告はなぜここまで嫌われるのでしょうか?

 

それは、広告には自社や自社製品の世界観をぶち壊す危険性があるからです。

 

どういうことか。

 

タクシー広告で説明しましょう。

 

まずは、こちらの2本の動画を御覧ください。

 

こちらは照英さんを起用した「ベルフェイス」のCM動画です





 

こちらは三遊亭円楽さんを起用した株式会社Phone Appliの、コミュニケーションポータル「連絡とれるくん」のCM動画です





 

さて、この2本の広告動画を見て気づくことがあります。

 

それは、フォーマットがほとんど同じだということ。

 

タクシー広告で流れてくる企業サービスは、概ねこのような流れとなっています。

 

 

「無能で鈍感な部下」あるいは「無能で鈍感な上司」が出てくる

 

 

古い価値観を押し付けて若手が疲弊

 

 

俳優やお笑い芸人が画期的な解決策としてサービスを紹介

 

 

会社の問題が解決

 

このようなプロットがもはやベタな流れになっています。

 

が、ここでの最大の問題は、あらゆるサービスがこの“型”に収められてしまっている点です。

 

サービスの世界観が、CMによりすべて平準化してしまっているのです。

 

俳優やお笑い芸人を起用することで興味関心を喚起することはできますが、すべてのサービスのブランディングが漂白されてしまうのです。

 

いわば、無印良品やユニクロのように悪い意味で商品やサービスの“クセ”が見えなくなってしまう。

 

こうした平準化した広告を出すと、あとは広告費をどれだけかけられるかという消耗戦が始まってしまいます。

 

そのため、ネット広告を含め、広告のコンバージョン率を高める前に、まずは自社製品の世界観をしっかり設定し、「ここは超えてはいけない」という境界線を決めなくてはならないのです。

 

これは、ビックカメラのパソコンコーナーとAppleコーナーを思い浮かべればわかりやすいかと思います。

 

Apple製品だけは別のコーナーに置かれており、SONYやレノボなどの他社製品が置かれたコーナーとは一線を画していますよね?

 

後者はそれぞれのメーカーの製品に世界観があっても、同じように陳列されています。そのため、あとは棚のどの場所に置けるか、どれだけ販売員が売ってくれるかというのが争点になってしまいます。

 

これを防ぐためには、Appleコーナーのようにならなくてはいけません。

 

安易な広告出稿を考える前に、まずは製品の世界観を確立し、PR戦略を決めることが肝要でしょう。

 

そのため、どんな市場規模が小さな商品でも、商品の世界観や届けたいメッセージを設定することをおすすめします。