21.04.13

広報支援 

テレビ取材は本当に喜ばしいことなのか?ビジネスモデルの“器”の話

突然ですが、新サービスをローンチしたり、開業してすぐにテレビ取材が入ったら“終わり”だと思ってください。

 

これ、どういうことでしょうか。

 

簡単に説明します。

 

新宿駅南口徒歩3分の場所に1人980円で焼き肉食べ放題のお店がオープンしたとします。

 

しかも、その焼肉店が使用しているお肉は、どれも高級焼肉店で知られるあの「叙々苑」と一緒。

 

普通に食べれば5,000円はくだらない肉質です。

 

そんなお店がオープンした途端、すぐに行列ができ、オープンからわずか3週間でテレビの情報番組「ヒルナンデス!」から取材が入りました。

 

結果、さらにお店の反響が大きくなり、これまで30分待ちだった行列はなんと90分待ちに!

 

嬉しい悲鳴です。

 

さて、ここまでの話を聞いて、PR戦略としてこの焼肉店のケースはなんてすばらしい事例だろう!

 

と思った方も多いかもしれません。

 

しかし、こういったお店はその後大きな壁にぶつかります。

 

それは、取材されたにもかかわらず、いや取材されたからこそ、その後のビジネス戦略で迷子になってしまうのです。

 

なぜか。

 

それは経営者にとって想定外のことが起きてしまったからです。

 

メディアで取材されたときに“失敗”に陥るパターンが2つあります。

 

それは、

 

1:取材されたあとの反響を予測して“器”を用意していなかった

 

2:顧客が一気に変わってしまい、コンセプトや商品設計を見直さざるを得なくなってしまった

 

順に説明します。

 

一点目は、行列ができてしまって十分な席を用意できなかったことを言いたいわけではありません。

 

そうではなく、それだけの反響があることを見越して新規出店を予定していたり、そのお店のスタッフ教育を終えている状態であるのが望ましいにもかかわらず、それがなされていなかったというケースが当てはまります。

 

もし取材をされたときに、その後起きることへの準備ができていない段階では「二度と来ないバブル」を経験してそれ以降は閑古鳥が鳴いてしまいます。

 

つまり、準備ができていない段階ではむしろメディア取材は断るくらいがよいのです。

 

二点目。

 

行列に30分並ぶ顧客と、90分並ぶ顧客は同じでしょうか?

 

前者は新宿近辺で働く人や住んでいる人が多いでしょうが、後者はかなり広範なエリアからその焼肉店目当てで足を運んでいる人が増えているはずです。

 

そうなると、顧客の層ががらりと変わりますよね。

 

結果、新宿近辺で働く人は「こんなに並んでまでランチは食べられない」と足が遠のいてしまいます。

 

メディアの取材がそのお店のあり方を変えてしまい、将来的に常連さんになる人をすべて逃してしまったのです。

 

つまり、取材をされることを目的にするのではなく、取材されたあとに自社に起きることまで想定し、デザインしておく。

 

そのアクションができていないことがこの焼肉店の場合問題だったのです。

 

私はこの例を「いきなりステーキ」の凋落に重ね合わせています。

 

メディアで取材されたあとに何が起きるか?

 

それを冷静に考えてからプレスリリースは打ってください。