20.05.15

マスコミ 

【雑誌第13回】◆すしざんまい社長はなぜ毎年マグロを一億円で落札するのか?

雑誌やネットニュースに、よく掲載される企業やサービスにはある共通点があります。

 

それはメディアの“頻出問題”を確実に抑えているということです。

 

実は、雑誌やネットニュースでは、頻繁に取り上げられるテーマは昔からほとんど変わっていません。
「健康(ダイエット)」、「不幸」、「人材(労働)」、「景気」、「グルメ」、「最新のスポット」、「新しい技術(少し前ならばAIやドローンなど)」、そして「大企業」。

これらのキーワードは、すべて数十年以上に渡り、メディアが取り上げ続けてきたテーマです。
言うまでもなく、これらのテーマはどれも読者から高い関心を集めているため、メディアは同じネタだとわかっていても取り上げざるを得ないのです。

そのため、上に挙げたテーマと、自社のサービスで関連するものがあれば、それはメディア掲載の可能性が高いと思ってください。

別の記事でも伝えているように、“頻出問題”と関連する自社のテーマは、積極的にブログやSNSでアップしていきましょう。
また、季節ネタも押さえておきたいところ。

 

具体的に例を挙げましょう。

 

東洋経済やダイヤモンドなどの経済誌や、日経トレンディは、毎年1月に来年の予測特集を必ず掲載します。
さらに、最近ではビジネス誌は夏ごろには「葬儀業界特集」を組む傾向にあります。
そして年末に向かって「年金特集」、「日立、東芝、ソニーなどの大手企業特集」と続きます。
こうした定番の特集のローテーションは長年に渡って変わることがありません。

ファッション誌ならば、6月には「夏の気候着こなしコーディネート特集」、1月には新年の最新のトレンドやイメチェン特集…といったように、各雑誌で必ず“定番テーマ”が存在します。

人材業界ならば、新卒採用市場が盛り上がる毎年3月ごろから徐々に新卒採用に関するニュースが増え始めます。
そのため、この時期に企業が採用に関する面白い取り組みをすれば、テレビや雑誌などのメディアから取材オファーが来るケースが増えます。

夏の大型連休の際には、この時期に合わせたキャンペーンを大々的に発表することによって、「こんなことに取り組んでいる企業も!」といったように取り上げてもらう可能性が高まります。

他にも、近年は働き方改革やLGBTの存在感が増していることにより、“多様性”に対して取り組む企業もよく取材される傾向にあります。

そのため、「最近、何が流行っているのか?」「常に時代に左右されずメディアが熱い眼差しを向けるテーマは何か?」を知っておくことはPR戦略としてとても有効になります。

 

こうした文脈を踏まえて、いま、もっともPRの成功事例がうまいのは「すしざんまい」でしょう。

すしざんまいは、毎年1月の初競りの際に、必ず本マグロを1億円、場合によってはそれ以上の額で落札します。そして、この事実は必ず毎年どのニュース番組でも取り上げられます。

この1億円の投資に対して、「すしざんまい」は明らかにこの投資額を回収できていると思います。このように、「定番ネタ」で常に自分たちがメディアに露出する機会を作っておけば、自社の知名度は確実にあがります。

 

定番ネタを抑え、自社が「定番」で出る機会をつくることを意識してみましょう。

 

 

 

鈴木俊之(編集者/メディアコンサルタント)

◆Profile
1985年福島県生まれ。学生時代よりライター活動を開始。大学卒業後、出版社にて裏社会、犯罪、事件誌の編集記者を経て2015年よりフリーランスとなる。「週刊SPA!」(扶桑社)、「PRESIDENTオンライン」(プレジデント社)など大手出版社で編集者として活躍。現在は主に総合週刊誌、ビジネス誌のほか、ネットニュースの編集、オウンドメディア運営にも携わる。専門分野は、ベンチャー、金融、不動産、人材、美容、婚活など。

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